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受発注管理をエクセルでやる4つの限界|受注と発注が在庫でつながらない理由

受注表と発注表を別々のエクセルで管理して、納期の即答や発注判断に困っていませんか?受発注管理でよくある4つの限界と、在庫でつなぐと何が変わるのかを解説します。

はじめに

この記事の要点

  • 受注と発注は向きが逆の業務で、在庫を挟んで初めてつながるため、1枚のエクセルにまとめようとすると破綻します
  • 受発注をエクセルで回すと、お客様への納期回答と仕入先への発注判断が、どちらも担当者の記憶に頼ることになります
  • 受発注管理のシステム化費用は、受注・発注・在庫を1つにつなぐ一元管理で40万円〜、入荷予定や受注残の管理まで含めて80万円〜が目安です

「受注はエクセルの受注一覧、発注は別ファイルの発注リスト、在庫はまた別の表」——卸売・商社・受注生産の会社では、受発注をこうした複数のエクセルで回しているケースがよく見られます。

受発注管理とは、お客様から受けた注文(受注)と、仕入先へ出す注文(発注)を、在庫を挟んで一続きに管理する業務のことです。受注は品物が出ていく約束、発注は入ってくる約束で、向きが逆になります。この2つは別々の業務に見えて、実際には在庫という1つの数字を奪い合っています。

この記事では、受発注管理をエクセルでやるときの4つの限界と、システム化で何が変わるのかを、中小企業の目線でわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 受注表と発注表を分けたままだと何が起きるのか
  • 納期の即答と発注判断が担当者頼みになる構造的な理由
  • 受注・発注・在庫をつなぐと業務がどう変わるのか

受発注管理でよくある4つの限界

① 受注と発注が、在庫を挟んでつながっていない

受注一覧には「いつ・誰に・何を・いくつ」が並び、発注リストにも同じ形式で並びます。ところが両者を結ぶ在庫の数字が、どちらの表にもありません

そのため「この受注に対して、在庫は足りているのか」「足りないぶんは発注済みなのか」を知るには、3つの表を突き合わせることになります。件数が少ないうちは頭で追えても、扱う品目が増えるほど確認そのものが仕事になっていきます。

② お客様に「いつ出せるか」を即答できない

受注の電話を受けたとき、その場で答えられるかどうかは商談の速さに直結します。しかしエクセル運用では、手元の在庫を見て、発注済みのぶんがいつ入るかを調べ、他の受注に取られていないかを確認するという手順が要ります。

結果として「折り返します」が増えます。調べている間に他社で決まってしまうこともあり、確認の遅さがそのまま失注につながることがあります。

③ 同じ商品を二重に発注する、または発注し忘れる

在庫が少ないと気づいて発注したものの、実は担当者がすでに発注していた。逆に「誰かが発注しただろう」と思っていて、誰も出していなかった。どちらもエクセル運用では日常的に起きます

原因は、発注リストに「この発注はどの受注のためか」「まだ入荷していないのはどれか」が残らないことにあります。発注書を出した時点で役目を終える表になっているためです。

④ 受注残・発注残が分からず、締めのたびに数え直す

まだ出荷していない受注(受注残)と、まだ入荷していない発注(発注残)は、月末の締めや在庫の把握に欠かせない数字です。ところがエクセルでは完了したものを消す運用になりがちで、残っているものを数えるには履歴をさかのぼることになります。

消してしまえば集計はできず、残しておけば表が膨らんで重くなる。どちらを選んでも負担が増えます。

なぜ1枚のエクセルにまとめられないのか

根本の原因は、受注と発注が向きの違う業務でありながら、在庫という同じ数字を共有していることにあります。

受注は在庫を減らす方向の約束、発注は増やす方向の約束です。そして両方とも「約束した時点」と「実際にモノが動く時点」がずれます。つまり在庫には、いま手元にある数だけでなく、出ていく予定の数と入ってくる予定の数が同時にぶら下がっています。

エクセルの表は1行1件が基本なので、この3つの状態を1枚で表現できません。だから受注表・発注表・在庫表と分けることになり、分けた瞬間に人が突き合わせる作業が生まれます。担当者が「あの受注のぶんは発注済み」と覚えていることで回っているのが実態で、その記憶は他の人には引き継げません。

つまり受発注管理の本質は、表を1枚にまとめることではなく、受注が入った時点で在庫を引き当て、足りないぶんが発注につながる流れを作ることなのです。

エクセル管理とシステム化後の比較

項目エクセル管理システム化後
引き当て在庫表を見て人が判断受注時に自動で引き当て
納期回答3つの表を突き合わせて確認出荷可能日をその場で確認
発注判断担当者の記憶と勘不足分が発注候補に上がる
受注残・発注残履歴をさかのぼって集計一覧でいつでも確認

システム化で変わること

受注した時点で在庫が引き当てられる

注文を登録すると、その分の在庫が確保された状態になります。他の受注に同じ在庫が二重に割り当てられることがなくなり、出荷直前になって足りないと気づく事態を防げます。

納期をその場で答えられる

手元の在庫と入荷予定を合わせて、いつ出せるかが画面に出ます。電話を受けながら回答できるようになり、折り返しの手間と失注のリスクが減ります。

足りない分が発注につながる

受注に対して在庫が不足していれば、そのまま発注の候補として拾えます。どの受注のための発注かがひもづくため、二重発注も出し忘れも起きにくくなります。

受注残・発注残がいつでも見える

出荷していない受注と入荷していない発注が、消さずに状態として管理されます。締めのたびに数え直す作業がなくなり、月末の負担が軽くなります。

具体例:納期回答に毎回折り返していた卸売会社のイメージ

たとえば、取扱品目が数百ある卸売会社があるとします。受注の電話を受けるたびに在庫表を開き、発注リストで入荷予定を探し、確認だけで10分かかるので一度電話を切っていた——というのはよくある話です。

受注・発注・在庫をつないだ仕組みに変えると、品番を入れた時点で出荷可能日が出ます。その場で回答できるようになるだけでなく、不足分がそのまま発注候補に上がるため、発注の判断も担当者の記憶に頼らずに済みます。

システム化でできること(主な機能)

受発注管理をシステム化する場合、たとえば次のような機能が考えられます。すべてを最初から作る必要はなく、御社の業務に合わせて必要なものだけを組み合わせます。

  • 受注登録と在庫引き当て:受注時に在庫を確保し、二重の割り当てを防ぐ
  • 在庫照会:手元在庫・引当済み・入荷予定を分けて表示
  • 発注登録と入荷管理:どの受注のための発注かをひもづけて管理
  • 受注残・発注残の一覧:未出荷・未入荷を状態として保持
  • 出荷・納品の記録:出荷時に引き当てを確定し、在庫へ反映
  • 検索・帳票出力:得意先別・仕入先別・品番別の抽出とCSV出力

受発注とあわせて見直したい業務の例

受発注は、在庫や請求の管理と一続きです。次のような業務に心当たりがあれば、各記事もあわせてご覧ください。

小さく始めるなら、どの機能から

おすすめは、一番確認に時間がかかっているところから始めることです。受発注管理なら、多くの場合受注時の在庫引き当てから始めるのが効果を実感しやすいポイントです。ここが動くだけで、納期の即答と二重引き当ての防止が同時に手に入ります。

そこで効果を確認してから、発注とのひもづけ → 受注残・発注残の管理、と段階的に広げていけば、無理なく投資を回収しながら進められます。

相談前に準備しておくとスムーズなもの

お問い合わせの前に次のものをご用意いただけると、より具体的なご提案ができます。「まだ何も決まっていない」段階でのご相談も歓迎です。

  • いま使っている受注一覧・発注リスト・在庫表のエクセル(3つの関係が見えると設計が早く進みます)
  • 注文の入り口(電話・FAX・メール・Webなど、どこから来るか)
  • 在庫を持つ品目か、受注してから仕入れる品目か(両方ある場合はその割合
  • 品目数・1日の受注件数・仕入先数などのおおよその規模感
  • いつ頃までに・どのくらいの予算で進めたいかのご希望

よくある質問

Q. 受注管理と発注管理を別々に入れてもよいですか?

A. 分けて導入すること自体は可能ですが、在庫でつながっていないと今の課題は残ります。納期の即答も発注判断も、受注・発注・在庫の3つがそろって初めて成立するためです。予算の都合で段階的に進める場合は、先に在庫と受注をつなぎ、あとから発注を足す順番をおすすめしています。

Q. FAXやメールで来る注文はどう扱いますか?

A. 受け取り方は変えずに、入力する先だけをシステムに変えるのが現実的です。FAXを見ながら登録する運用でも、在庫の引き当てと納期回答は機能します。注文の入り口が複数あっても、登録先が1つになれば突き合わせは不要になります。

Q. 在庫を持たず、受注してから仕入れる商品もあります。

A. その場合も同じ仕組みで扱えます。在庫を持たない品目は「受注のたびに発注が発生する」形として設計し、どの受注のための発注かをひもづけて入荷を追います。在庫を持つ品目と混在していても、品目ごとに扱いを分けられます。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

A. 内容によりますが、受注・発注・在庫をつなぐ一元管理で40万円〜、入荷予定や受注残・発注残の管理まで含む業務効率化で80万円〜が目安です。受注時の在庫引き当てから小さく始めれば、初期費用を抑えられます。詳しくは料金ページをご覧ください。

まとめ・次のアクション

受発注管理をエクセルでやるときの限界は、次の4つです。

  1. 受注と発注が、在庫を挟んでつながっていない
  2. お客様に「いつ出せるか」を即答できない
  3. 同じ商品を二重に発注する、または発注し忘れる
  4. 受注残・発注残が分からず、締めのたびに数え直す

原因は、向きの逆な2つの業務が在庫という同じ数字を共有しているのに、エクセルでは3枚の表に分かれてしまうことにあります。受注が入った時点で在庫を引き当て、足りないぶんが発注につながる流れを作れば、確認作業そのものがなくなります。

「うちの受発注、システム化したらどう変わる?」という相談も大歓迎です。いまお使いの受注一覧と発注リストをお見せいただければ、規模感に合わせた現実的なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


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