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歯科医院の在庫管理をエクセルでやる4つの限界|材料の期限切れと発注のムダをなくすには

歯科材料の在庫をエクセルの管理表で回して、期限切れや欠品が起きていませんか?品目数の多さゆえに起きる4つの限界と、システム化で変わることを解説します。

はじめに

この記事の要点

  • 歯科医院の在庫管理が難しいのは、扱う品目が数百におよぶうえ、診療の合間に記録する時間がほとんど取れないからです
  • エクセルの在庫表が続かない原因は表の作り方ではなく、使った場所と記録する場所が離れていて、後でまとめて入力する運用になっていることです
  • 歯科医院の在庫・発注管理のシステム化費用は、在庫と発注の一元管理で40万円〜、期限管理や発注点のアラートまで含めて80万円〜が目安です

「材料は棚を見て足りなければ発注、在庫表は作ったけれど更新が止まっている、期限は箱を見て気づく」——歯科医院では、材料や器具の管理をこうした運用で回しているケースがよく見られます。

歯科医院の在庫管理が他業種と違うのは、品目数の多さと、1回に使う量の少なさにあります。印象材・充填材・接着材・バー類・グローブ・注射針と、扱うものは数百におよび、それぞれが少しずつ減っていきます。しかも記録すべきタイミングは診療中で、手が空いていません

この記事では、歯科医院の在庫管理をエクセルでやるときの4つの限界と、システム化で何が変わるのかを、中小の医院の目線でわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 在庫表を作っても更新が止まってしまう理由
  • 期限切れと欠品が同時に起きる構造的な原因
  • 使った時点で記録できるようにすると何が変わるのか

歯科医院の在庫管理でよくある4つの限界

① 何がどれだけ残っているか分からない

在庫表を作っても、使うたびに書き込む時間が診療の合間にありません。まとめて入力しようとすると何をいくつ使ったか思い出せず、次第に更新が止まります。

結果として「棚を見て判断する」運用に戻ります。よく使うものは目につくので気づけますが、引き出しの奥にある使用頻度の低い材料は、必要になった日に初めて無いと分かります。

② 使用期限が切れてから気づく

歯科材料の多くには使用期限があります。ところが期限は箱に書かれているだけなので、棚から取り出した瞬間まで誰も見ていません

とくに起きやすいのが、まとめ買いした材料の期限切れです。単価が下がるからと多めに仕入れたものの、使い切る前に期限が来る。費用を抑えるつもりが廃棄になるという逆転が起きます。奥にある古い在庫より手前の新しいものから使ってしまう、という並べ方の問題も重なります。

③ 発注のタイミングが特定の人の感覚に頼っている

「これはそろそろ頼んだほうがいい」という判断は、たいていベテランのスタッフの頭の中にあります。品目ごとに納期も違えば、よく使う時期も違うためです。

その人が休んだ日や退職したあとに、発注が回らなくなります。切らすと診療そのものが止まる材料があるだけに、属人化のリスクが大きい業務です。

④ 発注先が分かれていて重複購入が起きる

材料はメーカーの直販、ディーラー、通販サイトと複数の窓口から仕入れることがほとんどです。窓口ごとに発注履歴が分かれているため、同じ材料を別ルートで重ねて頼んでしまうことがあります。

逆に「あちらで頼んだはず」と思い込んで、どこにも発注されていなかった、ということも起きます。

なぜ在庫表を作っても続かないのか

根本の原因は、材料を使う場所と、記録する場所が離れていることにあります。

材料を取り出すのはチェアサイドや準備室ですが、在庫表があるのは事務所のパソコンです。この距離がある限り、記録は「あとでまとめて」になります。そして診療が立て込めば、その「あとで」は来ません。表の作り方を工夫しても、この構造は変わりません

もうひとつ、歯科の在庫には数量だけでなく期限という軸があります。同じ材料でも期限の違うものが棚に混在するため、「残り5個」という数字だけでは足りません。エクセルの1行1品目の表では、この2つ目の軸を持てないのです。

つまり歯科医院の在庫管理の本質は、正確な表を作ることではなく、取り出したその場で記録でき、数量と期限を同時に持てる仕組みにすることなのです。

エクセル管理とシステム化後の比較

項目エクセル管理システム化後
記録のタイミングあとでまとめて入力取り出したその場で記録
期限箱を見るまで分からない期限が近いものが一覧に出る
発注の判断ベテランの感覚残数が基準を下回ると分かる
発注先窓口ごとに履歴がバラバラ品目ごとにどこへ頼んだかが残る

システム化で変わること

使ったその場で在庫が減る

棚やチェアサイドでスマホやタブレットから記録できるようにすれば、事務所に戻ってから入力する必要がなくなります。材料や棚にQRコードを貼っておけば、読み取って数を入れるだけで済みます。

期限が近いものから知らせてくれる

材料ごとに期限を登録しておけば、期限が近い在庫が一覧に上がります。使い切れそうにないものに早めに気づけるため、まとめ買いの判断も現実的な材料をもとにできます。

発注のタイミングが誰にでも分かる

品目ごとに「これを下回ったら発注する」という基準を決めておけば、残数がそこを切ったときに分かります。ベテランの感覚に頼らずに済むため、担当が休んでも発注が止まりません。

発注先と履歴がひもづく

どの材料をどこへいくらで頼んだかが記録として残ります。重複した発注や、頼み忘れを防げるうえ、価格の比較材料にもなります。

具体例:期限切れの廃棄が続いていた医院のイメージ

たとえば、ユニット3台で回している歯科医院があるとします。在庫表は作ったものの更新が止まり、棚を見て発注する運用に戻っていた——まとめ買いした材料が期限切れで廃棄になることが年に何度かあった、というのはよくある話です。

取り出したその場で記録する仕組みに変えると、残数が常に合うようになります。さらに期限の近いものが一覧に出るため、使い切る段取りを先に組めるようになり、廃棄そのものが減ります。

システム化でできること(主な機能)

歯科医院の在庫・発注管理をシステム化する場合、たとえば次のような機能が考えられます。すべてを最初から作る必要はなく、御院の業務に合わせて必要なものだけを組み合わせます。

  • 材料マスタの管理:品目・規格・メーカー・発注先を登録
  • 入出庫の記録:QRコードの読み取りで、使った分をその場で登録
  • 期限の管理:期限が近い在庫を一覧で表示
  • 発注点の設定:残数が基準を下回った品目を抽出
  • 発注履歴の管理:どこへいくらで頼んだかを品目ごとに記録
  • 棚卸し支援:読み取りベースの棚卸しと差異リスト

医院運営とあわせて見直したい業務の例

在庫は、発注や期限の管理と地続きです。次のような業務に心当たりがあれば、各記事もあわせてご覧ください。

小さく始めるなら、どの機能から

おすすめは、一番手が止まっているところから始めることです。歯科医院なら、多くの場合使ったその場で記録できるようにすることから始めるのが効果を実感しやすいポイントです。ここが変われば在庫の数字が合うようになり、期限も発注点もその上に乗せられます。

そこで効果を確認してから、期限の管理 → 発注点と発注履歴、と段階的に広げていけば、無理なく投資を回収しながら進められます。

相談前に準備しておくとスムーズなもの

お問い合わせの前に次のものをご用意いただけると、より具体的なご提案ができます。「まだ何も決まっていない」段階でのご相談も歓迎です。

  • いま使っている在庫表や発注リスト(紙の場合は写真で十分です)
  • 管理したい品目のおおよその数と、期限を管理したいものがどれくらいあるか
  • 発注先の数(メーカー直販・ディーラー・通販など何ルートあるか)
  • ユニット台数・スタッフ数などのおおよその規模感
  • いつ頃までに・どのくらいの予算で進めたいかのご希望

よくある質問

Q. 品目が多すぎるのですが、全部登録する必要がありますか?

A. ありません。切らすと困るものと、金額の大きいものから始めるのが現実的です。数十品目でも、欠品と期限切れの多くは防げます。運用に慣れてから対象を広げていく進め方をおすすめしています。

Q. 診療中にスタッフが入力できるか不安です。

A. 入力の手間をどこまで減らせるかが設計の中心になります。QRコードを読み取って個数を選ぶだけの形にすれば、数秒で終わります。文字を打つ場面をなくすのが基本です。

Q. 期限が違う同じ材料は、区別して管理できますか?

A. できます。同じ品目でも入荷のたびに期限を分けて持つ形にすれば、古いものから使う順番が画面で分かります。期限管理が不要な品目は数量だけで扱うなど、品目ごとに切り替えられます。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

A. 内容によりますが、在庫と発注の一元管理で40万円〜、期限管理や発注点のアラートまで含む業務効率化で80万円〜が目安です。使ったその場で記録するところから小さく始めれば、初期費用を抑えられます。詳しくは料金ページをご覧ください。

まとめ・次のアクション

歯科医院の在庫管理をエクセルでやるときの限界は、次の4つです。

  1. 何がどれだけ残っているか分からない
  2. 使用期限が切れてから気づく
  3. 発注のタイミングが特定の人の感覚に頼っている
  4. 発注先が分かれていて重複購入が起きる

原因は、材料を使う場所と記録する場所が離れていること、そして数量と期限という2つの軸を1枚の表で持てないことにあります。取り出したその場で記録できる形にすれば、在庫の数字は自然に合うようになります。

「うちの医院、システム化したらどう変わる?」という相談も大歓迎です。いまの在庫表と発注の流れをお聞かせいただければ、規模感に合わせた現実的なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


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