倉庫のロケーション管理をエクセルでやる4つの限界|探す時間をなくす始め方
倉庫のどこに何があるかが担当者の記憶頼みになっていませんか?ロケーション管理をエクセルでやる4つの限界と、探す時間をなくすシステム化の始め方を解説します。
はじめに
この記事の要点
- 倉庫作業の一番のムダは「探す時間」。原因は数の管理と場所の管理が別々なこと
- 棚に住所(ロケーション番号)を付けて品目×場所×数量で管理すれば、誰でも目的の棚にたどり着ける
- ロケーション管理を含む在庫管理のシステム化費用は40万円〜が目安
倉庫作業の中で一番ムダなのは、モノを「探している」時間です。どこに何があるかがベテランの記憶とエクセルの表に分かれて管理されていると、探す・聞く・歩き回る時間が毎日積み重なります。システムより先に「棚番のルールづくり」が土台になるため、この記事ではそこから順に解説します。
ロケーション管理とは、倉庫の棚や区画に「A-01-03」のような住所(ロケーション番号)を付け、在庫を「品目×置き場所」で管理する方法のことです。住所が決まっていれば、誰でも目的の商品にまっすぐたどり着けます。
この記事では、ロケーション管理をエクセルでやるときの4つの限界と、システム化で何が変わるのかを、中小企業の倉庫・バックヤードの目線でわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
- 置き場所管理が記憶頼みになっているときのリスク
- エクセルのロケーション表の限界
- システム化でピッキング・入庫・棚卸しがどう変わるのか
ロケーション管理のエクセル運用でよくある4つの限界
まずは「あるある」な悩みを整理します。心当たりがないかチェックしてみてください。
① 置き場所がベテランの記憶頼み
「あの商品は奥の棚の上のほう」——場所を知っているのが特定の人だけで、その人が休むとピッキングが極端に遅くなる。新人が育つまで時間がかかるのも、場所を覚えることがスキルになっているからです。
② ロケーション表の更新が追いつかない
エクセルで棚番と品目の対応表を作っても、移動のたびに表を直す運用が続きません。実際の置き場所と表がズレはじめると、表が信用されなくなり、結局「人に聞く」に戻ってしまいます。
③ 入庫のたびに置き場所に迷う
新しく入った商品をどこに置くかが決まっていないと、空いている場所に適当に置かれ、そのまま行方不明になります。同じ商品が複数の場所に分散して、在庫があるのに見つからない状態も起きます。
④ 棚卸しで倉庫中を歩き回る
どこに何があるか正確に分からないまま棚卸しをすると、リストの順番と歩く順番がバラバラで、行ったり来たりの移動だけで時間が溶けます。数え漏れ・二重カウントの原因にもなります。
なぜ「探す時間」がなくならないのか
根本の原因は、在庫の数の管理と、置き場所の管理が別々になっていることにあります。
在庫表には「何が何個あるか」はあっても「どこにあるか」がない。ロケーション表は作った時点から古くなっていく。この2つが分かれている限り、最後は人の記憶で埋めるしかなく、探す時間・聞く時間・歩く時間は構造的になくなりません。
つまりロケーション管理の本質は、入庫・移動・出庫のたびに「品目×場所×数量」がセットで更新される仕組みを作ることなのです。
エクセル管理とシステム化後の比較
| 項目 | エクセル管理 | システム化後 |
|---|---|---|
| 置き場所の把握 | ベテランの記憶+古い対応表 | 品目を検索すれば場所が出る |
| 入庫時の置き場所 | 空いた場所に適当に置く | 置いた場所を登録して住所が残る |
| ピッキング | 探しながら歩く | 場所つきリストで最短で回れる |
| 棚卸し | 倉庫中を行ったり来たり | ロケーション順に数えて回れる |
システム化で変わること
これらの悩みは、ロケーションを軸にした在庫管理システムで大きく改善できます。
「どこにある?」に誰でも即答できる
品目を検索すれば、保管場所と数量がその場で分かります。ベテランに聞かなくても、入ったばかりの人でも目的の棚にまっすぐ行けるようになり、属人化が解消されます。
入庫時に場所を登録するから、迷子が出ない
入庫したら「どこに置いたか」をその場で登録する運用に変わります。棚にQRコードのロケーションラベルを貼っておけば、スマホで棚のQRを読んで商品を登録するだけ。QRコードはスマホのカメラで安定して読み取れるため、専用端末なしで始められます。
ピッキングが場所つきリストで速くなる
出荷リストに保管場所が印字されるため、倉庫を効率よく回る順番で作業できます。探す時間が減るぶん、1日にさばける件数が増えます。
棚卸しがロケーション順に進む
棚の並び順に数えて回れるため、行ったり来たりがなくなり、数え漏れも防げます。ロケーションごとに担当を分けて、複数人で並行して進めることもできます。
具体例:ベテラン頼みの倉庫が回らなくなった会社のイメージ
たとえば、置き場所を把握しているのがベテラン1人だけの部品倉庫で、その人が長期休暇に入ったとたん、出荷が遅れ始めたとします。棚にロケーション番号を振り、品目と場所をひもづける仕組みに変えると、「どこにあるか」が会社の情報になり、誰が作業しても同じ速さで出荷できるようになります。人が場所を覚える教育期間も、大幅に短くなります。
システム化でできること(主な機能)
ロケーション管理をシステム化する場合、たとえば次のような機能が考えられます。すべてを最初から作る必要はなく、御社の業務に合わせて必要なものだけを組み合わせます。
- ロケーションマスタ:棚・区画に住所(棚番)を設定
- 品目×場所×数量の在庫管理:どこに・何が・何個を一元管理
- 入庫・移動の登録:棚のQRを読んで置き場所を記録
- 場所つきピッキングリスト:出荷作業を最短ルートで
- 棚卸し支援:ロケーション順の実数確認と差異リスト
- 空きロケーションの把握:入庫時の置き場所の判断を支援
ロケーション管理とあわせて見直したい業務の例
置き場所の管理は、在庫・入出庫・棚卸しの業務と地続きです。次のような業務に心当たりがあれば、各記事もあわせてご覧ください。
小さく始めるなら、どこから
いきなり倉庫全体をシステム化しようとすると、棚番付けの作業も含めて負担が大きくなります。おすすめは、出荷頻度の高いエリアひとつから始めることです。
多くの場合、よく動く商品の棚にロケーション番号を振り、品目×場所の検索ができる状態を作るところから始めると効果を実感しやすくなります。探す時間が減る効果は初日から出るため、現場の納得感を得ながら範囲を広げられます。
そこで効果を確認してから、入庫登録の運用 → ピッキングリスト → 棚卸し、と段階的に広げていけば、無理なく投資を回収しながら進められます。
相談前に準備しておくとスムーズなもの
お問い合わせの前に次のものをご用意いただけると、より具体的で現実的なご提案ができます。もちろん「まだ何も決まっていない」段階でのご相談も歓迎です。
- いま使っている在庫表・棚の対応表のエクセル(あれば)
- 倉庫のレイアウトが分かるもの(手書きの見取り図でも十分です)
- とくに困っていること(探す時間、属人化、棚卸し など)
- 品目数・1日の入出荷件数などのおおよその規模感
- いつ頃までに・どのくらいの予算で進めたいかのご希望
これらが揃っていれば、初回のご相談だけでも概算の規模感までお伝えできます。
よくある質問
Q. 棚番のルールはどう決めればいいですか?
A. 「エリア-棚-段」のように、歩く順番と一致する体系にするのが基本です。ここはシステムより先に決める土台なので、ご相談いただければ倉庫のレイアウトに合わせた棚番の付け方から一緒に設計します。
Q. 固定の置き場所を決めず、空いた場所に置く運用でも使えますか?
A. 使えます。むしろ「どこに置いてもよいが、置いた場所を必ず登録する」フリーロケーション方式は、システムがあって初めて成立する運用です。固定と自由の使い分けも含めて、現場に合う形を設計します。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 内容によりますが、エクセルからの脱却・ロケーション別在庫の一元管理で40万円〜が目安です。ピッキングリストや棚卸し支援まで含めると機能が増えるぶん費用も上がります。よく動くエリアから小さく始めれば、初期費用を抑えられます。詳しくは料金ページをご覧ください。
まとめ・次のアクション
ロケーション管理をエクセルでやるときの限界は、次の4つです。
- 置き場所がベテランの記憶頼み
- ロケーション表の更新が追いつかない
- 入庫のたびに置き場所に迷う
- 棚卸しで倉庫中を歩き回る
原因は、在庫の数の管理と置き場所の管理が別々になっていること。入庫・移動・出庫のたびに「品目×場所×数量」がセットで更新される仕組みに変えれば、探す時間は大きく減らせます。
「うちの倉庫、ロケーション管理を入れたらどう変わる?」という相談も大歓迎です。倉庫の状況をお聞かせいただければ、規模感に合わせた現実的なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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