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アパレルの在庫管理はなぜ大変?色・サイズ展開で品番が増える4つの悩みと棚卸しの短縮法

アパレル・衣料品の在庫管理をエクセルの在庫表で回していませんか?色・サイズ展開で品番が増える4つの悩みと、棚卸しを短くする方法、システム化で変わることを解説します。

はじめに

この記事の要点

  • アパレルの在庫管理が大変なのは、1つの型に色とサイズが掛け合わさり、1型×5色×4サイズなら20品番(SKU)まで管理対象が増えるためです
  • アパレルの棚卸しに時間がかかる原因はSKU数の多さで、値札・下げ札の読み取りで数える方式に変えると作業時間そのものを短くできます
  • アパレルの在庫管理をシステム化する費用は、SKU別在庫の一元管理で40万円〜が目安です

1つのデザインに色とサイズの展開が掛け合わさるアパレルは、管理する品番の数が他業種より一気に増えます。エクセルの在庫表でこれを追い続けるのは、型数が増えるほど難しくなります。

アパレルの在庫管理とは、1つの型を色・サイズまで分けたSKU単位で数を把握し、店舗・倉庫・ECのどこに何枚あるかを追い続ける業務のことです。SKU(品番)とは、色・サイズまで区別した在庫管理上の最小単位を指します。「白のMサイズ」と「白のLサイズ」は、売り場では同じ商品でも在庫管理上は別のSKUとして数える必要があります。

この記事では、アパレル・衣料品の在庫管理でよくある4つの悩みと、負担の大きい棚卸しを短くする方法、システム化で何が変わるのかを、中小のアパレル事業者の目線でわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • アパレルの在庫管理が大変になる業界特有の理由
  • エクセルの色×サイズ在庫表が破綻していく具体的なポイント
  • アパレルの棚卸しが終わらない理由と、作業時間を短くするしかた
  • システム化で色・サイズ別の在庫管理がどう変わるのか

アパレルの在庫管理でよくある4つの悩み

まずは「あるある」な悩みを整理します。心当たりがないかチェックしてみてください。

① 色・サイズ別の在庫が正確に見えない

「この商品の黒のLサイズ、あと何枚ある?」に即答できない。エクセルだと色・サイズのマトリクスを型ごとに作ることになり、型数が増えると表が巨大化します。集計を間違えたり、更新が追いつかなくなったりして、正確な在庫が誰にも分からなくなります。

② 店舗・倉庫・EC間で在庫がバラバラ

実店舗・倉庫・ECサイトでそれぞれ在庫を持っていると、「ECでは在庫ありなのに実物がない」「店舗には余っているのにECで欠品表示」といったズレが起きます。場所ごとのエクセルを突き合わせても、タイムラグでズレが生まれます。

③ セール・シーズン替わりの棚卸しが終わらない

アパレルはSKU数が多いため、棚卸しの負担が特に重い業界です。色・サイズを1点ずつ確認しながら数えるので時間がかかり、シーズン替わりの繁忙期に棚卸しが重なると現場が回らなくなります。この悩みは相談でも特に多いため、後半の「アパレルの棚卸しが終わらない理由と、短くするしかた」で詳しく扱います。

④ 売れ筋・死に筋がつかめず、機会損失と過剰在庫が同時に起きる

色・サイズ別の販売実績が集計できないと、売れ筋サイズの追加発注が遅れて機会損失になる一方、売れない色の在庫が残ってシーズン末の値引き・廃棄ロスにつながります。在庫の偏りに気づくのが遅れるほど、損失は大きくなります。

なぜエクセルではアパレルの在庫が合わなくなるのか

根本の原因は、SKUの数が人手の管理能力を超えやすいことにあります。

100型を扱っていれば、SKUは軽く1,000を超えます。入荷・販売・店舗間移動・返品のたびに、この1,000以上のマス目のどれかを正確に更新し続ける必要がありますが、エクセルでは入力漏れや行のズレが避けられません。さらに店舗・EC・倉庫と場所が分かれると、同じSKUを複数の表で二重管理することになり、ズレは加速します。

つまりアパレルの在庫管理の本質は、SKU単位の動きをその場で記録でき、全拠点の在庫が1か所に集まる仕組みを作ることなのです。

エクセルの色×サイズ在庫表が破綻する3つのポイント

「在庫表の作り方が悪いのでは」と考えて、表を作り直す方は多いです。ただ、アパレルの在庫表がうまくいかなくなるのは表の設計の巧拙より、エクセルという道具の構造上の限界に当たっているケースがほとんどです。破綻の入り口は、だいたい次の3か所です。

破綻するポイント起きることエクセルでの回避しやすさ
① 型が増えてシートが分かれる1型=1マトリクス表で作ると型数だけシートが増え、全体の在庫数を出すのに全シートの集計が必要になる集計式でしのげるが、シート追加のたびに式の修正が必要
② 拠点の列が増える店舗・倉庫・ECを列で持つと、店舗が増えるたびに全シートの列構成を直すことになる店舗数が固定なら耐えられる。増えると厳しい
③ 同時に触る人が増える店舗スタッフと本部が同時に更新すると、上書き・行のズレで数が合わなくなる回避しにくい。ここが実質的な限界点

とくに③が分かれ目です。担当者1人が本部でまとめて入力している間はエクセルでも回りますが、店舗スタッフが直接在庫を触り始めた時点で限界が来ます。「うちはまだ1人で入力している」なら、まずは色×サイズのマトリクスを型ごとにきちんと作り、SKUコード(型番+色+サイズ)を1列持たせるところまでやれば十分に戦えます。

逆に、すでに複数拠点・複数人で在庫を触っているなら、表の作り直しに時間をかけるより仕組み側を変えたほうが早い段階に来ています。

エクセル管理とシステム化後の比較

項目エクセル管理システム化後
色・サイズ別在庫巨大なマトリクス表を手更新SKU別に自動で最新在庫が見える
店舗・EC・倉庫場所ごとに別々の表全拠点の在庫を1か所で把握
棚卸し1点ずつ目視で数えるバーコード・QRの読み取りで短縮
売れ筋の把握集計しないと分からない色・サイズ別の販売実績が見える

システム化で変わること

これらの悩みは、SKU単位で在庫を管理するシステムで大きく改善できます。

色・サイズ別の在庫に即答できる

型番を検索すれば、色・サイズ別の在庫が一覧で出ます。「黒のLはあと3枚、うち店舗に1枚・倉庫に2枚」まで即答できるようになり、接客や受注の対応が速くなります。

全拠点の在庫が1つにまとまる

店舗・倉庫・ECの在庫を1か所で管理し、販売や移動のたびに反映されます。「ECで売れたのに実物がない」といった拠点間のズレを仕組みで防げます。

売れ筋・死に筋が数字で見える

色・サイズ別の販売実績が自動で集計されるため、売れ筋サイズの追加発注や、動かない色の早期値引きの判断が数字でできるようになります。勘に頼った発注からの脱却が、機会損失と過剰在庫の両方を減らします。

具体例:シーズン末の在庫ロスに悩んでいた会社のイメージ

たとえば、エクセルの在庫表で30店舗分を管理していた衣料品店が、色・サイズ別の売れ行きをリアルタイムで見られる仕組みに変えたとします。すると、シーズン中盤の時点で「動いていない色」が数字で見えるため、早めの店舗間移動や値引きで在庫を動かせるようになります。シーズン末にまとめて大幅値引きするより、利益の残り方が変わってきます。

アパレルの棚卸しが終わらない理由と、短くするしかた

アパレルの棚卸しが他業種より重くなるのには、はっきりした理由があります。同じ100点の在庫でも、アパレルは色・サイズで分かれているぶん数える対象の種類が多いためです。食品や部材のように「同じものが100個」なら数えるのは一瞬ですが、アパレルは「黒のS、黒のM、白のS……」と分類しながら数えることになります。

時間がかかっている工程はどこか

棚卸しが長引くとき、時間を食っているのは「数える」作業そのものより、その前後にあることがよくあります。

工程よくある状態短くするしかた
数える色・サイズを見分けながら1点ずつ数える下げ札・値札の読み取りで、分類と計数を同時に済ませる
書き写す数えた紙をあとから在庫表に転記する読み取った時点で記録され、転記が発生しない
差異を追う帳簿と合わない原因を後日たどる移動・販売の記録が残っているため、ズレた場所を絞り込める

現場で一番効くのは転記の工程をなくすことです。数えるのは人がやるしかない部分が残りますが、紙から在庫表への打ち直しは仕組みで丸ごと消せます。

読み取り方式にするときの前提

値札や下げ札を読み取って数える方式にすれば、1点ずつ目視で確認する棚卸しから解放されます。ここは端末の選び方で結果が変わるため、前提を整理しておきます。

  • 既製品に付いているJANコード(1次元バーコード)は、外付けのバーコードリーダーで読むのが確実です。1台数千円〜2万円程度・USB/Bluetooth接続で、読み取った値がそのままキーボード入力として入ります。
  • 自社で下げ札を発行しているなら、QRコードで発行すればスマホのカメラで安定して読み取れるため、端末代を抑えられます。
  • 店舗と倉庫で同時に棚卸しをする場合は、どちらの結果も同じ在庫データに集まる形にしておくと、締めのタイミングでの突き合わせが不要になります。

差異が出たときに原因をたどれるようにする

棚卸しの本当の負担は、数えることより「合わなかったときに原因が分からない」ことにあります。店舗間の移動が記録されていないと、差異が出ても「移動したのか、売れたのか、無くなったのか」を切り分けられません。

入出庫と店舗間移動をその都度記録しておけば、差異が出たSKUについて直近の動きをたどれるため、原因の絞り込みが現実的な時間で終わるようになります。棚卸しの効率化そのものについては、棚卸しが終わらない4つの原因と効率化の方法でも解説しています。

システム化でできること(主な機能)

アパレルの在庫管理をシステム化する場合、たとえば次のような機能が考えられます。すべてを最初から作る必要はなく、御社の業務に合わせて必要なものだけを組み合わせます。

  • SKU管理(型番×色×サイズ):色・サイズ展開をマスタで一元管理
  • 入出庫・店舗間移動の記録:バーコード・QR読み取りにも対応
  • 拠点別在庫の照会:店舗・倉庫・ECの在庫を1画面で確認
  • 棚卸し支援:読み取りベースの棚卸しと差異リスト
  • 色・サイズ別の販売集計:売れ筋・死に筋の見える化
  • 発注・入荷管理:追加発注のタイミングを在庫と連動

在庫管理とあわせて見直したい業務の例

アパレルの在庫は、発注や棚卸しの業務と地続きです。次のような業務に心当たりがあれば、各記事もあわせてご覧ください。

小さく始めるなら、どの機能から

いきなり全部をシステム化しようとすると、費用も導入の負担も大きくなります。おすすめは、一番手間がかかっている業務ひとつから始めることです。

アパレルなら、多くの場合、SKU管理と拠点別在庫の見える化から始めるのが効果を実感しやすいポイントです。「どの色・サイズが・どこに・何枚あるか」に即答できるだけで、接客・EC運営・発注の判断が最初に大きく変わります。

そこで効果を確認してから、読み取りでの棚卸し → 販売集計との連携、と段階的に広げていけば、無理なく投資を回収しながら進められます。

相談前に準備しておくとスムーズなもの

お問い合わせの前に次のものをご用意いただけると、より具体的で現実的なご提案ができます。もちろん「まだ何も決まっていない」段階でのご相談も歓迎です。

  • いま使っている在庫表のエクセル(色・サイズの管理方法が見えると設計が早く進みます)
  • とくに困っていること(在庫が合わない、棚卸しが大変、EC連携 など)
  • 型数・SKU数・店舗数などのおおよその規模感
  • いつ頃までに・どのくらいの予算で進めたいかのご希望

これらが揃っていれば、初回のご相談だけでも概算の規模感までお伝えできます。

よくある質問

Q. まずはエクセルの在庫表を作り直すだけでも改善しますか?

A. 状況によります。入力する人が本部の1人だけなら、色×サイズのマトリクスを型ごとに作り、SKUコード(型番+色+サイズ)の列を持たせるだけでもかなり整理できます。一方、店舗スタッフも在庫を触っている場合は、上書きや行のズレが避けにくいため、表の作り直しでは解決しきれないことが多いです。どちらの段階にいるかをお聞かせいただければ、作り直しで足りるかどうかも含めてお答えします。

Q. 店舗のスタッフでも使えますか?

A. 使える形にすることを前提に設計します。店舗で使う画面は、在庫の照会と入出庫の読み取りに絞って項目を減らすのが基本です。端末についても、専用のハンディを買わずに手持ちのスマホやタブレットで済ませる方法があります。詳しくはハンディターミナル在庫管理の費用相場をご覧ください。

Q. 棚卸しはどれくらい短くなりますか?

A. 現状のやり方によって変わります。紙に書いて後から在庫表へ転記している場合は、転記の工程がなくなるぶんの短縮が確実に見込めます。数える作業自体は人が行うため、SKU数が多いほど時間は残ります。まずは現在の棚卸しに何日かかっているかをお聞かせください。

Q. 実店舗とECの在庫を1か所で見たいのですが、どう考えればよいですか?

A. まず社内側(店舗・倉庫)の在庫をSKU単位で1か所にまとめるところから始めるのが現実的です。ECを含めた扱いはお使いの仕組みによって条件が変わるため、現在の運用をお聞かせいただいたうえで、どこまでを一元化の範囲にするかをご相談しながら決めていきます。

Q. 商品タグのバーコードはそのまま使えますか?

A. 使えます。既製品に付いているJANコードは、外付けのバーコードリーダーで読み取る前提で設計します。自社で下げ札を発行している場合は、QRコードにすればスマホのカメラでも読み取れるため、端末代を抑えられます。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

A. 内容によりますが、エクセルからの脱却・SKU別在庫の一元管理で40万円〜が目安です。販売集計やEC連携まで含めると機能が増えるぶん費用も上がります。一番困っている部分から小さく始めれば、初期費用を抑えられます。詳しくは料金ページをご覧ください。

まとめ・次のアクション

アパレルの在庫管理でよくある悩みは、次の4つです。

  1. 色・サイズ別の在庫が正確に見えない
  2. 店舗・倉庫・EC間で在庫がバラバラ
  3. セール・シーズン替わりの棚卸しが終わらない
  4. 売れ筋・死に筋がつかめず、機会損失と過剰在庫が同時に起きる

原因は、SKUの数が人手の管理能力を超えやすいこと。SKU単位の動きをその場で記録でき、全拠点の在庫が1か所に集まる仕組みに変えれば、これらは大きく改善できます。負担の重い棚卸しも、数える工程より紙から在庫表への転記の工程を先になくすほうが、短縮の効果を実感しやすくなります。

「うちの在庫管理、システム化したらどう変わる?」という相談も大歓迎です。現状の管理方法をお聞かせいただければ、規模感に合わせた現実的なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


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