スマホで在庫管理する3つの方法と選び方|アプリ選定5つの確認ポイント
在庫管理をスマホでやりたい中小企業向けに、3つの方法の向き不向き、アプリ選定で確認したい5つのポイント、バーコード読み取りの現実解を解説します。
はじめに
この記事の要点
- スマホで在庫管理する方法は「既製アプリ」「エクセル併用」「自社システムのスマホ対応」の3つで、品目数と入力する人数で向き不向きが分かれます
- QRコードはスマホのカメラで安定して読めますが、JANコードなどの1次元バーコードは1台数千円〜2万円程度の外付けリーダーを使うのが現実的です
- スマホ対応の在庫システムを作る費用は、在庫の一元管理で40万円〜、スキャン運用まで含めて80万円〜が目安です
「事務所に戻ってパソコンで入力するのが面倒」「現場でスマホから在庫を触りたい」——倉庫・工場・店舗・車上と、在庫が動く場所はパソコンの前ではありません。
スマホの在庫管理とは、入出庫の登録や在庫数の確認を、パソコンではなく手元のスマホ・タブレットから行う運用のことです。パソコン前提の管理は「現場でメモ→事務所で入力」の時間差を生みますが、これこそが在庫が合わなくなる大きな原因です。スマホなら在庫が動いたその場で記録が終わるため、この時間差そのものがなくなります。
ただしやり方は1つではなく、会社の状況によって向き不向きがはっきり分かれます。この記事では、スマホで在庫管理する3つの方法と選び方、アプリを選ぶ前に確認したい5つのポイント、そしてコード読み取りの現実解を、中小企業の現場目線で解説します。
この記事を読むとわかること
- スマホで在庫管理する3つの方法と、それぞれの向き不向き
- 在庫管理アプリを選ぶ前に確認したい5つのポイント
- QR・バーコードの読み取り運用と端末の考え方
スマホで在庫管理する3つの方法
方法①:既製の在庫管理アプリを使う
ストアで配布されている在庫管理アプリを入れる方法です。手軽に始められる反面、画面や項目が自社の業務に合わせられない・品目数や機能で有料プランが必要になる・自社の受注や帳票とつながらないという壁に当たりがちです。「アプリの流儀に業務を合わせられる会社」向きです。
方法②:エクセルをスマホでも見る・触る
クラウド保存したエクセルをスマホで開く方法です。追加費用ゼロですが、正直におすすめしません。スマホの小さい画面でエクセルのセルを触るのは想像以上に苦行で、誤入力・行ズレが増えます。「閲覧だけスマホ、入力はパソコン」の閲覧用途が限界です。
方法③:自社専用の在庫管理システムをスマホ対応で作る
自社の品目・単位・業務の流れに合わせた在庫管理システムを、スマホの画面幅で使いやすい形で作る方法です。2〜3タップで終わる入力、カメラでのQR読み取り、複数人の同時利用まで自社の運用に合わせられます。「アプリに業務を合わせる」のではなく「業務に道具を合わせる」選択肢です。
3つの方法の比較
| 項目 | ①既製アプリ | ②エクセル併用 | ③自社システム |
|---|---|---|---|
| 始めやすさ | ◎ すぐ使える | ◎ 追加費用なし | △ 開発期間が必要 |
| 自社業務への適合 | △ アプリの流儀に合わせる | △ 元のエクセル次第 | ◎ 業務に合わせて設計 |
| スマホでの入力しやすさ | ○ | × セル操作は苦行 | ◎ タップ中心に設計 |
| 他業務との連携 | × 原則つながらない | △ 手作業でつなぐ | ◎ つなげて作れる |
在庫管理アプリの選び方|先に確認したい5つのポイント
在庫管理は一度データを入れ始めると後戻りしにくいため、使い始める前に次の5点を確認しておくと、あとで詰まりにくくなります。
- 自社の「単位」が扱えるか:ケース・バラ・kg・m など、現場の単位のまま登録できるか
- 複数人で同時に使えるか:担当者が増えたときも、その場で記録し合える形か
- 入力が何タップで終わるか:実機で1件登録して数えるのが確実です
- 読み取り方式が現場と合うか:自社ラベルはQR、既製品のJANコードは外付けリーダー
- データを取り出せるか:CSVなどで自社にデータを出せるか
このうち1・2・4で引っかかる場合、アプリ側を業務に合わせることはできないため、③自社システムを検討する段階に来ていると考えてよいと思います。
スマホでバーコード・QRコードを読み取るには
「スマホのカメラでコードを読んで在庫を登録したい」は、相談で最も多いご要望です。ここはコードの種類によって現実解が変わります。
自社でラベルを発行する現場(自社製品・部品・棚のロケーション表示など)なら、QRコードにすればスマホのカメラがそのままリーダーになります。追加機器なしでスキャン運用まで持ち込めるため、初期費用を抑えたい会社に向いています。詳しい進め方はQRコードを使った在庫管理の始め方をご覧ください。
一方、既製品に印刷されているJANコードのような1次元バーコードは、スマホのカメラだと読み取り精度が実用レベルに届きにくいのが実情です。現実解は外付けバーコードリーダーで、Bluetooth/USB接続の1台数千円〜2万円程度の機器なら、読み取った値がそのままキーボード入力として入るため、スマホ・タブレットのWeb画面と相性が良好です。精度・速度は専用ハンディと遜色ありません。
端末は、移動しながら片手で使うならスマホ、作業台に据え置いて一覧も見たいならタブレットが向いています。専用機との比較はハンディターミナル在庫管理の費用相場で解説しています。
選び方の目安
- 品目が少なく、在庫を記録できれば十分 → まず①既製アプリを試す価値あり
- 閲覧だけスマホでできればいい → ②エクセル併用で十分
- 入力する人が複数いる/スキャン運用したい/受注・出荷・棚卸しまでつなげたい → ③自社システムが本命
判断のポイントは「在庫管理を単独で完結させたいか、業務の流れの一部としてつなげたいか」です。在庫は受注・出荷・発注・棚卸しとつながって初めて数字が合うので、本格運用するなら③自社システムに行き着くケースが多い、というのが現場感です。
具体例:現場メモ→夕方入力をやめた設備会社のイメージ
たとえば、社用車に部材を積んで現場を回る設備会社が、使った部材を紙メモに書き、夕方に事務所でエクセル入力していたとします。スマホ対応の在庫システムに変えると、現場で部材のQRを読んで数量をタップするだけ。夕方の入力作業が消え、「メモを書き忘れて在庫が合わない」も起きにくくなります。
システム化でできること(主な機能)
すべてを最初から作る必要はなく、御社の業務に合わせて必要なものだけを組み合わせます。
- スマホ最適化の入出庫登録:選択肢とタップ中心、片手で完了する入力画面
- QRコードのカメラ読み取り:QR運用なら追加機器なしでスキャンが完結
- 外付けバーコードリーダー対応:JAN等の1次元バーコードを正確に読み取り
- 現在庫の一覧・検索:外出先からでも在庫を即答できる
- 複数人・複数拠点の同時利用:誰がどこで使っても記録が一元化
- 警告在庫数のアラート:発注漏れの防止
- CSV出力・データ移行のご相談:お送りいただいたエクセルを確認して移行範囲をご相談します
在庫まわりで見直されることが多い業務の例
小さく始めるなら、どの機能から
多くの場合「スマホからの入出庫登録と現在庫一覧」から始めるのが効果を実感しやすいポイントです。現場での記録がその場で終わるだけで、在庫のズレと夕方の入力作業が最初に消えます。そこから読み取り → アラート → 棚卸し支援と広げれば、無理なく投資を回収しながら進められます。
相談前に準備しておくとスムーズなもの
「まだ何も決まっていない」段階でのご相談も歓迎です。次のものがあると、より具体的なご提案ができます。
- いま使っている在庫表のエクセルや帳票のサンプル
- とくに困っていること(現場で入力できない、在庫が合わない など)
- 品目数・利用人数・拠点数などのおおよその規模感
- いつ頃までに・どのくらいの予算で進めたいかのご希望
よくある質問
Q. スマホのカメラだけでバーコードは読めますか?
A. QRコードならスマホのカメラで安定して読み取れます。商品に印刷されたJANコードのような1次元バーコードは精度が安定しにくいため、1台数千円〜2万円程度の外付けリーダーを接続する形をおすすめしています。自社でラベルを発行する現場なら、最初からQRコードで発行しておくとカメラだけで運用できます。
Q. 社員の個人スマホを使わせるのは抵抗があります
A. ごもっともです。会社支給の端末や、現場据え置きの共用タブレットで運用する形にもできます。ログイン方式にすれば「誰が登録したか」も端末に関係なく記録されます。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 内容によりますが、在庫の一元管理を中心としたExcel脱却で40万円〜、スマホ最適化画面・バーコード/QR読み取りまで含む業務効率化で80万円〜が目安です。詳しくは料金ページをご覧ください。
まとめ・次のアクション
スマホで在庫管理する方法は3つあります。
- 既製アプリ:手軽だが、業務への適合と他業務との連携に壁
- エクセル併用:閲覧用途が限界。入力運用には不向き
- 自社システムのスマホ対応:業務に合わせて設計でき、スキャン運用・複数人利用まで可能
読み取りは「自社ラベルはQR+カメラ」「既製品のJANコードは外付けリーダー」が現実解です。複数人で入力する・スキャン運用したい・受注や棚卸しまでつなげたい会社は、③自社システムのスマホ対応が本命です。
「うちはどの方法が合う?」という相談も大歓迎です。現状の在庫管理の流れをお聞かせいただければ、規模感に合わせた現実的なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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